公共建築の実際-建築行政の立場から-

今回の月ギャラ、環・設計工房のゲストトークは、財団法人福岡県建設技術情報センター 営繕指導課長の野中明人氏と、
構造設計家の草場基成氏、両氏から普段聞き難いお話をいただきました。

野中氏は福岡県の建築の技術職員として、福岡県庁の新築、アクロス福岡、九州国立博物館、門司港海峡ドラマシップ、福岡県立大学など、福岡県が関係する代表的なプロジェクトに携わってこられています。

c0113608_19281762.jpg



レクチャーでは、企画から設計・施工・管理運営まで、発注者の立場から、どんなプロセス・苦労があったのかを、各
プロジェクト毎にお話いただきました。自治体の制度との格闘、首長・著名建築家との間の難しい調整などの苦労話を、貴重なうら(?)話で笑いを交えながらのレクチャーでした。

印象に残った野中語録をいくつか。

【素人の視点も大事】コストや建築常識から専門職が不自然に思わないことも、素人が見るとおかしく、素人の指摘が的を射ていたりすることがよくある。その視点も大事にしなければならない。

【建物が主役】発注者、設計者、施工者、よくぶつかる。ただ目的は「いい建物をつくる」というところでは同じで、そこを目標点として共有すると、意外にうまくことが進む。そんなときはみんなで建物を育てる気分。

【図面の中を歩く】自分で図面を引かない若手を指導する時にも言っている。動線に沿って歩きながら空間をイメージする。

他にも「自治体間・自治体内部の微妙な関係」など、目からウロコ、爆笑のネタが連発でした。



続いて、構造設計家の草場基成氏のレクチャー。
西部ガスミュージアムから始まる氏の代表作をスライドを使って説明を受ける。

c0113608_19282750.jpg



松井源吾賞受賞が、確認申請の際に自治体職員の一言に発奮した結果だったいうことには皆びっくり。
一見アクロバティックにも見える草場氏の構造も、実はとても真面目にひとつひとつの検証を重ね、
様々な知恵者・技術者の意見を重ね合わせ実現させた「ものづくり」の結晶だということが、
氏のことばから伝わってくる。

しかし紹介されたのは草場氏の経歴の中でも前半のいくつか。
「久々に建築に夢をみた」「学生時代に戻ったみたい」時間不足気味のレクチャーは
次回へ続く予感をはらみつつ、終わったのでした。
(杉本 泰志)
[PR]
by mono_koto | 2007-07-20 19:33 | MONDAY GALLERY
<< JDCA総会 福岡大学院 建築学会コンペ応募... >>