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不死鳥のように


c0113608_1431419.jpg福岡市早良区の室見川で29日(土)、第7回室見川灯明まつりが行われました。外環状線や都市高速道路の整備によって急速に姿を変えつつある校区の環境に、コミュニティの分断や美しい景観の喪失、交通安全などに危機感を持った人々が集まり有田校区の将来を考えていくまちづくり実行委員会を組織したのが2000年春。そのとき、校区住民のコミュニケーションや共同作業の楽しさ、そして一人でも多くの住民に有田校区のまちづくりに関心を持ってもらおうという意図で始めました。今では校区だけでなく、福岡市中の人が楽しみにしている祭りとして発展してきました。

c0113608_14325048.jpg 今年のテーマは「川面で夢見るメルヘンの世界」(メルヘンには始めちょっと戸惑いました が・・・)。河原橋を渡ったメイン会場では、橋の上を視点場に設定し、そこから最もよく絵が見えるように平面を正確に補正するという初めての試みを行い、イメージ通りの「火の鳥」を浮かび上がらせることに成功。河原橋にはいつまでも多くの人が佇んでいました。その他、PTAによる「うさぎと亀」、町内会を中心にした地域の人々による「カボチャの馬車」「北風と太陽」が揺らぎながら川面にすばらしい風景をつくり出していました。
c0113608_14382583.jpg 他にも、中学生による光るメリーゴーランド、小学生による水車、番傘によるタイトル、男の料理による竹灯明、さらに「おいでよ!絵本ミュージアム」で展示された巨大なありもライトアップされました。同時にNPO法人デザイン都市・プロジェクトによる福岡環境映像祭も実施され、抑揚のきいたすばらしい夜でした。
c0113608_1439538.jpg室見川灯明まつり始まって以来、最も完成度が高い祭りだったと思います。翌日、最後の片付けを行った後、反省会を行いましたが、地域の皆さんの表情からは疲れの中にも自分たちの地域に対する誇りが溢れており、とても気持ちよく酔うことができました。



今回大成功に終わった灯明まつり。実はここに至るまでに紆余曲折がありました。
今になって初めて言えるのですが、第6回の昨年、袋の数や砂の位置を間違ったり、ロウソクがうまくつかなかったりしたことなどが重なり、
c0113608_14395736.jpgこれまで僕が関わってきた灯明イベントの中で、失敗といっていいほどのものでした。地域の皆さんにも疲労だけが残り、反省会でもいろいろな問題が出されました。まちづくりへの思いが一気に冷めてしまうのではないかと危惧しました。

しかし、公民館主事の上野さんと実行委員会の犬塚会長を中心に、今年は早いうちからロウソクを探し、これまでよりも6倍する単価のロウソクに変更(これが英断だった!)、地上絵の紙袋分けや砂の位置決定などもそれぞれの担当の方が早々と動き、万全の状態で望むことが出来ました。
c0113608_14424568.jpg「私は去年ものすごく悔しかったけん、絶対リベンジしたかったと。見に来た人に今年はものすごく綺麗かったと言われた時は本当にうれしかった」とは昨年に引き続き紙袋の仕分けを担当した友納さん。それを聞いて目頭が熱くなりました。地域の人々は一年間ずっと内に秘めていた思いをようやく開放させることができたのです。

この夜、有田校区はまさに「不死鳥」のように再び羽ばたき始めました。3時間で幻のように消えてしまったまつりの写真をアップしながら、共同作業が生み出す暖かい連帯感にしみじみと喜びを感じている月曜の午後でした。

岡 大輔
まつりのデザインアドバイザーとして参加
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by mono_koto | 2007-10-01 14:55 | デザインボランテイア

灯明職人派遣事業

c0113608_17381256.jpgc0113608_1743524.jpg今日の朝刊を見て知った方も多いかと思いますが、昨日、福岡市役所前の広場で「ありがとうふくおか」という西方沖地震から丸2年を記念したイベントがありました。朝からウォークラリーをやったり、防災関係の展示をしたり、被災地の玄界島や志賀島の人たちが炊き込みご飯や鍋をふるまったりといろいろやったあとで、最後に広場全体を使って全国に感謝の気持ちを発信するということで灯明が企画されたわけです。灯明と言えばやる人(やれる人という程難しいものではありません)というのは限られています。ということで、またやってしましました。あくまで頼まれてですが・・・。
一応、やるなら何か新しい手法を採り入れようと思い、今回は発信する方向と都市の軸とをシンクロさせたり、点灯する時間を微妙に調整して、時間によって波紋が広がっていくように演出したりという試みをやりました。結果、イメージした通りにうまくいきました(右写真、灯明の完成)。やはり灯がきちんと点けば灯明は失敗しないことを確認できました。
さて、やる人が少ないと書きましたが、正確にはやったことがある人が少ないということです。話を持ちかけられたとき、実行委員会には経験者が当然のようにいないことが分かり、実施に当たっては灯明職人をかき集めました。このほとんど身内です(左写真、基準出しをする職人達)。こんなことばっかりやっているから、環境デザイン機構って何をやっているところですか?とよく聞かれます。言い訳ではないのですが、僕にとっては灯明はコミュニティ調査であり、マーケティングであり、普段関わることのない人々とのネットワークを構築する場なのです。灯明で仲良くなった人が、「仕事でまちづくりやっているの?」「建築もやっているの?」と聞いてきます。まさに会社の営業でもあります。10年後には、きっと一緒に灯をつけた人たちが、どかーんとすごい仕事を持ってきてくれるでしょう。せめて、いろいろなところに職人を派遣する事業ぐらい成り立つようにしないと。ね、吉田さん。(OKA)
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by mono_koto | 2007-03-22 17:46 | デザインボランテイア