<   2009年 02月 ( 1 )   > この月の画像一覧

修復-Restoration-とは何だったのか?

今回のMonday Galleryのゲストは、
九州産業大学で建築史の教鞭を執られている頴原澄子さんをお迎えしました。

c0113608_20581664.jpg
      ↑頴原澄子さん(写真左)



今も現存する歴史的建造物の“修復”の歴史と「建物をまもる行為」、
日本においての“修復”について話していただきました。

c0113608_2056138.jpg
      ↑月ギャラの様子



教会のヴォールトの部分が、天井の装飾としてキッチュのようなものになったことと、
丸ビルの新旧のデザインの類似と差異が似たような意味をもつことなど
大変おもしろい内容の話でした。

中でも興味深かったのが、原爆ドームを例に挙げた日本の修復について。
僕は広島出身で、もちろん原爆ドームが改修された(1989年)のは知っていたのですが、その補修方法までは無関心でした。ドーム部分内部には鉄骨で“つっかい棒”を施し、レンガ積みの部分にはエポキシ樹脂を注入するという補修方法がなされており、この、外観のみをほぼ昔のままの状態にすることが、果たして良い補修方法なのかどうなのか、意見は大きく分かれそうだと感じました。


余談ですが、原爆ドームは世界的にも価値のあるものとされていて、その補修方法についてもいろいろ議論されたようです。
「博物館に移設する」「屋根をつける」といった内容の提案もあったようですが、2006年には現状保存する方向で決まったのだとか。
c0113608_20541525.jpg
      ↑公開された内部足場



タイミングがよいのか、この月ギャラが行われた2月16日に原爆ドームの内部が公開されました。1989年に補修を行ってから3年ごとに地盤沈下や鋼材の腐食・変形などの有無を調べています。

これから、のこす価値のあるもの・そうでないものを判断する能力、視点などを養う活動が必要と感じました。
また、その時代の流行だけではなく、のこす価値のあるものをどれだけつくれるかという設計者である自分に問われた課題を感じさせる会となりました。

頴原澄子さん、ありがとうございました。
[PR]
by mono_koto | 2009-02-17 21:01 | MONDAY GALLERY