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TOTO本社工場・サンアクアTOTO見学会レポート

去る6月10日、GATAPさん、西部ガス貞松さん、建築家の森敬幸さん、九工大奥村さんと学生さん、monokotoのメンバー、総勢20名でTOTOの本社・小倉第一工場及びサンアクアTOTOの見学会に参加してきましたので、そのレポートをします。

TOTO本社・小倉第一工場

ここでは衛生陶器の製造過程を通して見学できました。
衛生陶器は「焼き物」なので、やはり土をペースト状にして型に流し込み、高温で焼いて成形するというのが、製品作成の流れです。
まず驚いたのが乾燥・焼成前と完成品との大きさの差。
下、左上の写真で、手前の茶色の大きさが乾燥により真ん中の大きさ、そして焼成で右の大きさ(普段使う機器の大きさ)になるというのには、皆ビックリ。
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衛生陶器の形状も水の流し方がいろいろ改良を重ねられる中で、カパッと型から抜いて終わりではなく、いくつかのピースを粘土の状態(柔らかくて垂れる!)で一体化する、複雑なかたちになってきているそうですが、それを一体化するのは手仕事。大事に手で撫でながら製品を一体化する様は「大切につくっている」という雰囲気が伝わってくるものでした。
その後、釜の中で24時間以上熱を加えられ、製品は検査課程に回されます。
工場自体は4階建ての最新機器が詰まった工場なのですが、そこでの根本の作業が非常にプリミティブなことと、最新鋭のロボットの動きも熟練の職人の動きからプログラムされているというお話、非常に人間的なことに驚きでした。

続いてのTOTO歴史博物館ではTOTO製品に限らない水廻りの歴史の説明を受ける。
水回りの歴史の長さと近年の変貌の早さに驚き。
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続いてサンアクアTOTOの見学へ。
サンアクアTOTOは、働く意思と能力がありながら、就労の機会に恵まれない障害者に働きやすい職場を提供するため、福岡県・北九州市・TOTOの3者が共同出資し第三セクター方式で1993年2月に設立された会社。ノーマライゼーションの理念に基づき障害のある人もそうでない人も共に働き、TOTOの水栓金具や給排水器具の組み立て、プレゼンボードやカタログのDTP作業等が行われています。建物は白川直之氏設計で、グッドデザイン賞を受賞。

15年前の建物とは思えないほど、建物が全体がユニバーサルデザインの視点で設計されていることに加え、使い手側がその建物をベースに、より安全で、快適な生活環境づくりのために、細かなところにいろいろ手を加えられています。

印象深かったのはここでの仕事の進め方の変移のお話。
「以前はライン生産だったが、一人で全工程の作業をする一人生産方式に変更し、自分にあった作業台をそれぞれが改良を加えながら、作業環境作りをすることで、個人の能力差による人間関係のトラブルが減り、作業の効率を他人のせいにせずに、どうすれば効率が上がるかをそれぞれが考え出した」というおはなし。確かにみなさん、自分の仕事用に仕事環境のカスタマイズをいろいろされていて、工場見学の中でその話題に触れると、とても盛り上がってお話をしてくださった。

仕事場の横には従業員が作る畑がひろがり、仕事よりもこちらに軸足が向いている人もいるとか。monokotoでもテラスを畑にできれば・・なんて考えてしまいました。
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写真提供:森敬幸建築設計事務所 森敬幸さん  GATAP 張 彦芳さん

TOTO本社ではものづくりの原点と精神を、サンアクアTOTOでは、ユニバーサルデザインの可能性と仕事環境についていろいろ学ばせていただきました。参加者の皆様、強行軍、お疲れさまでした。企画段階から一日のお世話まで、TOTOの吉川課長、東浦さん、どうもありがとうございました。

環・設計工房 杉本泰志
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by mono_koto | 2008-06-11 20:05 | モノコト日記

芸術工学40周年

香山先生に伺う

芸術工学40周年というタイトルで開催された、以前は開学記念日のイベント。
同窓会と芸工院との共催?事業。
記念講演は芸工大創立時の教授で、キャンパスの設計者である香山先生(東大名誉教授)でした。設計に対する姿勢、ものつくりの振る舞いなど、ひとつひとつが我が身に顧みて、考えさせられることばかりでした。設計者の生き様、思いはそのまま設計に反映されること。学習はコピーから始まりそれを突き詰めた後オリジナリティーが出てくることなど。
そのような講演の後、キャンパスの計画をされていた時の思いや今の感慨などを伺うべくその場を設定しました。
まず、キャンパスを歩きました。シナリオとしては一期生の日野さんと先生が会話しながら歩くという設定。外部空間のスケールと植栽に対する考えをお話し頂きました。駅からの軸が噴水からさらに南東に抜けるイメージだった。5号館が重たいかもしれない。水の広場、高木の広場、さらにフライパンには植栽は要らないと、思いを受け継いでるということと、でも中木を植えすぎているという苦言もありました。
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その後香山先生を囲み、一期生の日野さん、初期に赴任され教授の片野先生、創立期から13年在籍の後藤先生、芸工院長の安河内先生、それに鮎川が進行役で設計時のお考えを伺いました。最初から、規模の拡大や増築は総合大学とは一線を画した考えに立ち、クラスターが増殖するイメージを持っていたこと。つまり単純な増築は考えなかったらしい。那珂川まで敷地を確保し繋ぎたかった事や、もっと広場への開放性が有ったら良かった、でもこんなに都市化することは予想していなかったということ。文部省とのやり取りの大変さは、実施設計事務所のやり取りとともに沸々と当時の思いがわき出しました。

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この記録は整理の上学内学外に向けた使い方を検討し発信する予定です。
その後多次元棟にて懇親会がありました。先生方もお疲れかとは思いましたがせっかくの機会、事務所においでいただき延長戦を戦うことにいたしました。
赤堀先生、後藤先生、片野先生、大井先生を始め日野さん松永さんなど卒業生も集まり、夜半まで話し続けました。密度高い半日が過ごせたこと厚く感謝致します。
さらに一人で後かたづけした杉本君に感謝。

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                                   鮎川 透
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by mono_koto | 2008-06-03 20:42